――筆者のグレッグ・イップはWSJ経済担当チーフコメンテーター ***  全米自動車労働組合(UAW)にとって、デトロイトの自動車大手3社に賃上げとワークライフバランスの改善を要求することは、完全に理にかなっている。結局のところ、労働市場全般が歴史的な逼迫(ひっぱく)状態にある現在、労働者はまさにそうしたものを獲得しているからだ。  だが、ストライキを実施する工場労働者にとって理にかなったとしても、製造業全体にとっては全く理にかなったことではない。賃金は究極的には生産性、つまり企業の労働力が生み出す商品の量や質と結びついているからだ。