経済的に恵まれない母子家庭に育ち、高校・大学は奨学金を借りて卒業。そのため、1000万円に迫る“奨学金という名の借金”を背負うことになった。そこで、郷里に母を残して上京、東京国税局の国税専門官となった。配属を希望したのは、相続税調査部門。「どうすればお金に悩まされずに済むのだろう?」と考え「富裕層のことを知れば、なにかしらの答えを得られるのではないか?」と思い至ったからだった。国税職員のなかでも富裕層が相手となる相続税を担当するのは、たった1割ほど。情報が表に出てくることはほとんどない。10年ほど携わった相続税調査で、日本トップクラスの“富裕層のリアル”に触れた『元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者』(ダイヤモンド社)の著者が、富裕層に学んだ一生お金に困らない29の習慣を初公開する!
※本稿は、『元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。

【元国税専門官が明かす】王道にして本質を突く! 富裕層の「投資の常識」とは?Photo: Adobe Stock

複数の事業を同時に動かす
グローバル並行起業家

以前、グローバル並行起業家の小里博栄氏にインタビューをしたことがあります。

小里氏は、オックスフォードの大学院を卒業後、「ダイソン」など複数のグローバル企業で仕事をした後、起業をしたという人物です。

現在は、インドを中心にイギリスや日本、シンガポールなどで、計16の事業やプロジェクトを同時に動かしています。

「マルチプル」を意識する

その小里氏に成功の秘訣を尋ねたところ「マルチプル(複数)を意識すること」と教えてくれました。

小里氏は、かつてタイで起業をしていたのですが、1997年のアジア通貨危機によってタイの通貨が暴落し、手痛い失敗をしたことから、1つの国や通貨に依存するリスクを痛感したそうです。

それ以来、常に複数の国で、複数の事業を展開して、複数の通貨を稼ぐというやり方にシフトし、ビジネスや資産を強固にしています。

リスク分散という本質

このように、リスクに対する意識の高い富裕層は、収入や資産を分散しています。

預金だけ、株式だけ、不動産だけ、といったことはなく、バランスよく資産を分散させているのが特徴的です。

※本稿は、『元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。