【社説】米下院議長解任、無謀な共和議員たちPhoto:Win McNamee/gettyimages

 共和党議員8人のグループは3日、ケビン・マッカーシー氏を下院議長の座から追い払うことに成功した。きっと本人たちは満足していることだろう。彼らが望んでいたような大混乱が起きているが、他に何を成し遂げたいのかは明らかでない。彼らの計画は自分たちの首を切り落とすことではなかろうか。

 マッカーシー氏は議長の職を失った。だが今回のクーデター危機への対処によって、われわれの同氏に対する評価はここ数日で上がった。マッカーシー氏は9月30日、策謀者たちが正当な目的なしに政府閉鎖に持ち込むのを拒むに当たり、国益を最優先した。10月3日には、同氏が下院議長の職にとどまるのを助けるために票を投じ、その見返りに権力分担の取り決めを結びたいとの民主党の要求を拒否した。自らの職よりも党を優先させた。その報いは米国史上初めて下院議長として解任されたことだ。解任動議の採決の結果は賛成216、反対210だった。