共和党指名候補争い、盤石のリード
「白人労働者階層」以外にも支持拡大
米国では8月23日に共和党の候補者による最初のテレビ討論会が開かれ、来年の大統領選挙に向けて動きが本格化している。
現職で民主党のバイデン大統領が再選を目指しているが、ここまでの「主役」は返り咲きを目指すトランプ前大統領だ。
共和党内の支持は対立候補を大きく引き離している余裕からか、デサンティス・フロリダ州知事やペンス前副大統領ら8人の候補が参加した最初のテレビ討論会を欠席。そうかと思えば、討論会の翌日、トランプ氏は、2020年大統領選での敗北を覆そうとして不正行為を働いたとして起訴されていた件で、南部ジョージア州の拘置所に出頭し、世論の注目を一気に引き寄せた。
そのあおりを受けて、本来であれば話題になるはずの前日の討論会はすっかり小さなニュースに追いやられてしまった。何よりも注目を集めることを優先するトランプ氏の思惑通りに米国政治はトランプ氏に振り回され続けている。
そもそも、大統領選の有力な候補者が4つの事件の刑事訴追を受けているのは異例としか言いようがない。それどころか訴追を受けるたびに支持率は上がっている気配すらある。
訴追を「政治的な魔女狩り」と訴えて支持者らを結束させるなど、巧みなパフォーマンスは健在だが、“盤石”の理由はほかにもある。コア支持層の「白人労働者階層」にとどまらない支持の広がりだ。