藤島ジュリー景子氏は、亡き母である藤島メリー泰子(メリー喜多川)氏から相続したジャニーズ事務所を廃業する決断をした。今後しばらくは打ちのめされた日々が続くかもしれないが、そんな藤島氏に知ってほしいのが、稲盛和夫氏の人生の浮き沈みだ。あの「経営の神様」も、不祥事を犯し、極限の精神状態まで追い詰められる暗黒時代を経験しているのだ。(イトモス研究所所長 小倉健一)
「経営の神様」とたたえられた
稲盛和夫氏も袋だたきに遭った経験を持つ
とうとうジャニーズ事務所が終わってしまうときが来た。
私は、ジャニー喜多川氏が行った凶悪犯罪について、時効になってしまった分も含めて救済する財団をつくり、また経営と資本を分離すべきだと主張していたが(詳細は『ジャニーズタレントに届けたい、経営の神様・稲盛和夫の「挫折人生を一転」させた覚悟の中身』)、藤島ジェリー景子氏は廃業の道を選んだ。
思い切ったことを決断したと感じたが、日本は法治国家でもある。報道が過熱し、国民の怒りが沸点に達したとはいえ、藤島氏の再起の道まで閉ざすのは行き過ぎだと思う。
人間誰しも失敗は犯すものである。あの「経営の神様」と言われた稲盛和夫氏だって、過去には不祥事によってメディアから袋だたきに遭った。そして、極限の精神状態まで追い詰められる経験をしているのだ。しかし、多くの人がご存じのように、稲盛氏はその暗黒時代を耐え抜き、「経営の神様」の評価を得るまで大復活を果たしたのだ。
本稿は、藤島氏がいつの日か、何らかの形で興行の世界へと帰ってくることを祈って書いていきたい。