米国で2年近く旺盛だった空の旅の需要が先行き不透明になっている。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)下で鬱積(うっせき)していた消費者の旅行意欲が原動力となり、旅行が復活した。「リベンジ旅行」だ。そのおかげで航空会社の中には売上高や利益が過去最高となったところもある。ところが最近では、一部の格安航空会社(LCC)は席を埋めるために運賃引き下げを迫られていると明らかにしている。「燃料、(輸送)能力、需要の全てが悪い方向に進んでいる」フロンティア航空のバリー・ビッフル最高経営責任者(CEO)は先月、業界の会議でそう話した。「われわれは炭鉱のカナリアのようなものだ」好調が今後も続くとみている航空会社もある。国際線やビジネスクラスなど高価格帯の座席の利用者が多いユナイテッド航空やデルタ航空は、コスト上昇で利益は抑えられるものの、需要は鈍っていないとしている。