課題は「スタジアムへのアクセス」
最寄り駅から遠く離れた山の上

 しかし、ゼルビアにはなお重要な課題が残されている。町田GIONスタジアムへのアクセスに難を抱えているのだ。最寄り駅は小田急線の鶴川駅、京王線の多摩センター駅、JR淵野辺駅、JRと小田急線の町田駅などとされるが、実はこのスタジアム、駅から数キロメートルも離れた山の上にある。しかもスタジアムがある町田市野津田はもともと渋滞の名所として知られており、スタジアム送迎バスが渋滞にハマることも珍しくない。

 かといって最寄りのバス停(神奈川中央交通の「野津田車庫」)から歩くと、もう「登山道」としか言いようがない、人ひとり通るのがやっとの山道を踏み分けることになる。ゼルビアとしてもこの点は課題と認識していて、むしろ、スタジアムに「天空の城・野津田」と愛称を付けたり、鶴川駅からの徒歩1時間の道のり(5㎞弱、高低差50m)を『セルフ男気コース‼』と名付けたりして、秘境感を楽しんでもらう戦略をとっている。

 町田GIONスタジアムでのゼルビアの平均観客動員数は、昇格を目前にした23年でも5000人程度だった(定員は1.5万人)。来季からJ1に昇格すると、近隣の味の素スタジアム(東京都調布市)がホームスタジアムである「FC東京」のサポーターや、あるいは「浦和レッズ」「名古屋グランパス」といったサポーターが多いことで知られるチームの試合も迎えることになる。他チームのサポーターはもちろん、新たなファン獲得のためにも、送迎バスの確保など、アクセス改善に今から手を打っておきたいものだ。

サイバー藤田流「ギャンブル経営」炸裂!J1昇格・FC町田ゼルビア、来季の課題は戦力より…最寄りバス停からスタジアムへ向かう山道。夏は藪蚊に注意 Photo by W.M.
サイバー藤田流「ギャンブル経営」炸裂!J1昇格・FC町田ゼルビア、来季の課題は戦力より…「天空の城・野津田」の案内図 Photo by W.M.