プロ野球2023年クライマックスシリーズは、10月18日からセ・パ両リーグでファイナルステージが始まった。開催球場は、阪神甲子園球場と京セラドーム大阪。それぞれ、阪神タイガースとオリックス・バファローズが本拠を置くスタジアムだ。至近距離にある2球場を徹底比較してみると、成り立ちや、経営のあり方がまったく違う。また、タイガースもバファローズも、球場の特色に合わせて観客のさばき方やファンの獲得方法を心得ていることが分かった。(乗り物ライター 宮武和多哉)
日本シリーズで「関西ダービー」実現か
甲子園球場と大阪ドームを徹底比較!
2023年のプロ野球は、セ・リーグは阪神タイガース(以下:タイガース)、パ・リーグはオリックス・バファローズ(以下:バファローズ)がリーグ優勝を果たした。クライマックスシリーズを勝ち抜けば、「関西ダービー」と呼ばれる、関西に本拠を置くタイガースとバファローズの対決が実現する。
プロ野球12球団で関西に本拠を置いているのは、この2球団のみ。タイガースが「阪神甲子園球場(以下:甲子園球場)」に、バファローズが「京セラドーム大阪(以下:大阪ドーム)」に本拠を置く。この2カ所の球場は、直線距離にして10km少々、直通する電車で20分とかからない。
しかし、至近距離にある互いの球場は、成り立ちや、球場経営のあり方がまったく違う。タイガースもバファローズも、球場の特色に合わせて観客のさばき方やファンの獲得方法を心得ており、とてもユニークだ。
甲子園球場と大阪ドームについて、競技上での特徴(芝や土、フィールドの広さ)はさておき、本記事では、歴史や経営の観点から比較してみよう。そして、実はこの記事も、試合終了後の芝生に寝転がり、左中間(グラウンド内、レフトとセンターの間)をコワーキングスペース代わりにして執筆している。そんなファンサービスを提供できるのは、どちらの球場だろうか? 当ててみてほしい。