テレビ・ネットで「日本のウォーレン・バフェット」と話題! 1936年(昭和11年)、兵庫県の貧しい農家に4人兄弟の末っ子として生まれた。高校を出してもらってから、ペットショップに就職。そこでお客だった証券会社の役員と株の話をするようになった。そして19歳のとき、4つの銘柄を買ったことが株式投資の始まりだった。あれから68年、バブル崩壊では10億円あった資産が2億円にまで減った。しかし今、資産は18億円まで増え、月6億円を売買しながら、デイトレーダーとして日々相場に挑んでいる。隠しごとなしに日常生活から投資法まで全部書いた話題の書『87歳、現役トレーダー シゲルさんの教え 資産18億円を築いた「投資術」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものをお送りする。

18億円まで金融資産を増やした87歳の現役デイトレーダー写真:川瀬典子

87歳★現役デイトレーダー

私は1936(昭和11)年生まれで、2023年で87歳を迎えた現役デイトレーダーです。投資を始めたのは19歳のときだったので、投資歴は68年になります。

とはいえ、別に投資歴を誇りたいわけではありません。好きで株をやっていたら、いつの間にかこの年数になっただけですから。

投資そのものについても、何かをお話しできる立場だとは考えたこともありませんでした。ただ、編集者が「シゲルさんの生き様、投資には魅力がある。68年間の投資経験でつかんだことをぜひ教えてほしい」と言うのです。

68年の投資経験

この68年で、たしかに時代は大きく変わりました。戦中・戦後のひもじい時代から高度経済成長期、バブルとその終焉、失われた30年……

そのすべてをこの目で見て、株を通じて感じてきました。

私自身、人生での浮き沈みはありました。仕事をせず、投資に専念するようになったのは1986年ごろからですが、バブル崩壊のあおりを受けて資金を減らしてから、あまり投資活動をしていなかった時期もあります。

個人で月6億円を売買

また、神戸市に住んでいる私は、阪神・淡路大震災で被災。株を本格的に再開したのは、ネット取引を始めた2002年からです。

バブル期には資産を10億円から2億円まで減らしましたが、毎日デイトレードを続けた結果、いまの運用資産は18億円ほどまでに増えました。

月の売買代金は約6億円に上ります。「すごい」と言われることもありますが、私からすれば、これでもまだ十分とは思えません。

私の生活は株を中心に回っていますから、その労力を思うと18億円でも見合うとは思っていないのです。だから、まだまだ死ぬわけにはいきません(笑)。

ひとえに株が好きだから

多くの人は、「お金を増やしたい」という思いから投資をしているんじゃないでしょうか。いまは政府も国民の預貯金を投資に回させるべく、さまざまな施策を講じています。

しかし、私が投資をしているのは、お金がほしいからではありません。ここまで続けてきたのは、ひとえに「株が好きだから」という理由に尽きます。

もちろん、お金を増やしたいという思いを否定するわけではありません。ただせっかく投資をするなら、楽しんだほうが絶対にいい。

私は「投資が好き」という気持ちが先にあったからこそ、いろいろと試行錯誤して勝負を続け、後からお金がついてきたのです。

※本稿は、『87歳、現役トレーダー シゲルさんの教え 資産18億円を築いた「投資術」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。