新型コロナウイルス禍が過去のものとなりつつあるが、多くの業界においてコロナ前への完全な逆戻りは起きず、新たな事業環境に突入している。そこで上場約50社、15業界における月次の業績データをつぶさに見ると、企業によって業績の明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「【月次版】業界天気図」。今回は、2023年9月度の百貨店編だ。
国内顧客・インバウンドとも好調だが...
百貨店の主要3社が発表した9月度の月次業績データは、以下の結果となった。
◯三越伊勢丹の既存店売上高
9月度:同120.1%(20.1%増)
◯高島屋の国内百貨店売上高
9月度:同104.8%(4.8%増)
◯大丸松坂屋(J.フロント リテイリング)の百貨店事業合計売上高
9月度:同117.7%(17.7%増)
23年9月の実績は、3社とも前年実績を上回っている。特に、三越伊勢丹と大丸松坂屋は2桁増収となった。
ところが、時間軸を広げて約4年分を分析すると、印象がガラリと変わる。両者の「格差」が浮き彫りとなるのだ。
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