合法大麻ビジネスの盛り上がり「グリーンラッシュ」が米国を中心に広がる中、日本の若者の間でも「大麻容認派」が増えつつあるという。謎の隠語を駆使することで、闇世界とのリアルな接触を回避し、大麻を入手するという彼らの実態とは。(フリーライター さとうあつこ)
合法大麻ビジネスの盛り上がり、「グリーンラッシュ」に注目が集まっている。現在、大麻は世界中の多くの国で非合法とされているが、アメリカやカナダなど一部の国で合法化されており、医療や食品といった分野で一大市場が誕生する可能性も高まってきた。
一方、大麻が厳しく取り締まられてきた日本は、世界的に見ても乱用者は少ない。だが、ここ数年は事情が変わりつつあるようだ。
法務省の「犯罪白書(令和元年版)」によれば、大麻取締法違反の検挙人員は2017年に最多を記録。さらに18年には前年比16.9%増の3762人に達した。また、17年の国立精神・神経医療研究センターの調査報告書では、大麻の生涯経験率はモニタリング期間中で最多の1.4%、推計使用人口は約133万人に及ぶ。
今や有機溶剤に代わり、国内でもっとも乱用されている薬物となった大麻。規制強化により乱用者が減っている「合法ドラッグ」「脱法ハーブ」などの危険ドラッグとは対照的だ。
気になるのは、20代、30代の若い世代で「大麻容認派」が増えていることだ。
前出の国立精神・神経医療研究センターの調査で、大麻使用についてどう思うか尋ねたところ「法律で禁止されてはいるが、少しなら構わないと思う」「法律で禁止する必要はなく、個人の自由だと思う」の合計は、20代では3.6%、30代ではなんと5%と20人に1人に達しているのである。