米国が新たな支援策を承認しなければ、ウクライナがロシアとの戦争で形勢不利になりかねないとの懸念が高まる中、欧州各国は支援強化に動いている。欧州と米国は、ウクライナが短期的に大規模な領土奪還を目指すのは難しいとの見方を強め、ウクライナ軍が対ロシア戦線を維持するための支援に主眼を置いている。ウクライナは今年の反転攻勢で有意な領土奪還を達成できておらず、戦争はほぼ袋小路に陥っている。欧米首脳らが目下懸念するのは、ウクライナの資金・弾薬不足がさらに深刻化すれば、来年ロシアがウクライナに昨年奪還された地域を再び取り戻すチャンスを与えかねないことだ。これまでは米国がウクライナを軍事的に助ける負担の多くを引き受け、数百億ドル規模を支援してきた。だが今度は欧州がその役割を拡大しようとしている。