ウォール街には「投資家は不確実性を嫌う」という決まり文句がある。最近の投資家の反応は、あることに関して完全に確信した状態から、その反対が正しいと確信するまでに揺れ動き、薄い証拠に基づいて市場が乱高下している。14日に発表された米インフレ率で、またも市場のストーリーの転換が完了した。表面上は、好ましいインフレ統計への過剰反応が起きた。一面では、市場はまさに当然のように動いた。インフレ率が予想より低かったため、債券利回りは低下。株価は上昇し、金利に敏感な銘柄が特に値上がりした。しかし、その動きの規模は実際に起きたこととかけ離れていた。消費者物価指数(CPI)のコア指数の上昇率は前月比0.23%で、市場予想(0.3%)を下回った。総合指数の前年同月比上昇率は3.2%で、予想(3.3%)を下回った。確かに良いニュースだが、ラッセル2000指数の5.4%上昇はもちろん、S&P500種指数の1.9%上昇でさえ正当化するには不十分であることは明らかだ。