3月11日は大震災から丸2年。新聞・テレビは大がかりな特別企画を組み、2年間の復興実績を検証し、多くの反省点も浮き彫りにした。
3.11特集報道に共通していたのは「決して3.11を風化させてはいけない」という強い呼びかけであった。
しかし、3.11は風化するにはあまりにも大きな出来事。確かに、仕事や生活に追われる多くの人にとって、常に3.11に優先することがあるのは当然。だが、決して忘れているわけではない。原発問題1つとっても、デモに参加する人たちが少なくなったからと言って、原発容認に変わったわけではない。むしろ脱原発への決意はさらに固まってきていると思う。
細川護熙元首相が理事長
「瓦礫から防潮堤をつくる」試み
さて、風化させないための最も有効な方法は、言うまでもなく、われわれ1人ひとりが、積極的、具体的に復興に参画していくこと。
そのためには民間が行っている多くの復興事業や活動に関わっていくのも1つの道であろう。
私は財団法人の「瓦礫を活かす森の長城プロジェクト」の活動に大きな期待をしている。
これは、細川護熙元首相が理事長、その道のプロである宮脇昭横浜国立大名誉教授が副理事長を務めて、既に大きく動き出している。
この事業は簡単に言うと、瓦礫を活用して東北の海岸に万里の長城のような防潮堤を築くというもの。
青森県から福島県までの海岸300キロに高さ30メートルの植林した土堤を15年から20年をかけて築くのが最終目標だ。