アルゼンチンの次期大統領が自国にはドルがどうしても必要だと考えているのは正しい。だが、ドルを得るための彼の経済政策は間違っているかもしれない。19日に行われた大統領選挙でハビエル・ミレイ氏がセルヒオ・マサ経済相に勝利したことは、アルゼンチン国民がいかに変化を熱望しているかを浮き彫りにした。経済は危機的状況にあり、インフレ率は143%に達している。動画投稿サイト「YouTube(ユーチューブ)」や同アプリ「TikTok(ティックトック)」で人気者になったアウトサイダーのミレイ氏は、財政支出を「チェーンソー」のように切り刻み、中国と友好的な交渉はしないと公約に掲げた。中でも目を引くのは、中央銀行を「焼き払い」、ドルを国家通貨として採用すると約束したことだ。