ドナルド・トランプ前米大統領は、前回の大統領選の選挙運動中からずっと今の政治システムは自分に不利な「いかさま」であると不満を訴えている。2024年の選挙シーズンが近づく中、このシステムは本当にいかさまの様相を呈している。ただし、それはトランプ氏に有利に働くものだ。米大統領選の構造は多くの点で、共和党指名候補の首位を独走するトランプ氏を支援する。同氏の陣営と協力者たちが数年前から努力し続けたかいもあって、党予備選のルールと日程は、最有力候補が迅速に指名を獲得できる仕組みとなっている。それはどんな場合も有利ではあるが、予備選の日程が進むと同時に、複数の民事・刑事裁判でトランプ氏が法的な窮地に陥りかねないこの1年は、なお一層重要になりそうだ。