頭が切れる人の考え方

 対して、頭が切れる人は、どんなことでも、本質を掴もうとします。先ほどの例で言うと「どうして新規営業が必要なのか」をしっかりと自分なりに考えることができるのです。なんとなく働いている人とは雲泥の差でしょう。

 これは、私のいるお笑いの世界でも同じで、ネタ見せの際に「もっと声張って」と言うと、考えが浅い人はただ大声を出すのに対し、頭が切れる人は滑舌に気をつけて腹から声を出すようになります。

 この「声を張って」と言う発言の背景には、「舞台で一番後ろのお客さんにも聞こえるように」という意図があります。そのため、大声でなくとも聞き取りやすければそれでよく、頭が切れる人はそのことを瞬時に考えることができるのです。

 もちろん、大声を出すのも真面目という面では素晴らしいことなので、そういった場合は、「どうして声を張った方がいいと思う?」と必ず聞くようにしています。

 よく、芸人さんは頭の回転が速いですねと言っていただきますが、実はこういった些細なことの積み重ねで芸人は成長していきます。その意味では特殊なことなどなにもなく、ひたすら愚直に考え続けることだけが正解なのです。

 ほんのちょっとのことを意識するだけで芸人と同じような思考回路はつくっていけますので、ぜひ頭の片隅に入れておいていただけると幸いです。