このところ分譲マンションの供給が増えているようだ。不動産経済研究所の「首都圏マンション市場動向」によると、2012年に首都圏で供給された分譲マンションは前年比2.5%増の4万5602戸だった。それを反映してか、昨年末頃から首都圏版の新築マンション誌は、厚みのある号が続いている。関係者に聞くところによると、年度末にかけて広告出稿が増えているようで、マンションデベロッパーの好調ぶりがうかがえる。

 今年は供給が多くなりそうというだけでなく、購入を検討している人も増えており、マンション業界は活況の様相だ。私の周囲でも今年の購入を検討しているためか、「いろいろ教えてよ」と言われることも多くなってきた。

 そのなかで、最も多い質問が「立地」について。「○○駅あたりを買おうと思うのだが、いい場所かな。値下がりしないかな」といった内容をよく聞かれる。

 次に多いのが、「ディベロッパー」について。「○○社って、いいマンション建てているの?」と聞かれたり、あるいは○○にはマンションのブランド名が入り、同様の質問をされることもある。

 多くの人にとってマンションは、その金額からしても人生で最も高い金額の買い物になる。「いざ購入」となると、いろんな迷いが生じるのは当然だろう。

 そこで今回は、多くの購入者が気になっているマンションのブランド価値について考えてみたい。

大手ディベロッパーが展開する
「マンションブランド」の価値

 マンションを購入する際に、「どんな会社が建てる(=売主)マンションか」という事は、誰もが気にすることだろう。初めて耳にする企業が売主であるよりも、認知度の高い企業が販売するマンションのほうが安心して購入できる。このことは、かつて耐震偽装が社会問題化した頃から、購入者がより一層吟味するようになったと思う。

 全国的に名前の知られた企業、地元で有名な企業など信頼のバロメーターは様々だが、「購入した後も、不具合が見つかればフォローしてくれるか」の是非をこうした認知度で判断しているのだろう。