本連載は元メルカリ・現LayerXでHRを担い、スタートアップにおける人事採用経験が豊富な石黒卓弥氏が自身の“採用論”について語っていきます。第3回目は、副業で関わっているメンバーを正社員として迎える際の考え方についてです。
働き方のひとつとして、今や「副業」は当たり前のものになりつつあります。採用のハードルが特に高くなってきているスタートアップのエンジニア採用において、まずは副業として関わってもらう、という選択肢をとる企業も増えているのではないでしょうか。
副業として関わり始めて活躍するメンバーには、ずっと副業ではなく出来れば正社員としてフルタイムで関わってもらいたい、と考えている企業も多いと思います。では、副業から正社員になってもらうには、どうすればいいのでしょうか。今回は副業のメンバーを正社員として迎え入れるために、人事ができることを考えていきたいと思います。
副業で働く動機は金銭的報酬だけではない
まず、ひと口に副業と言っても、関わり方はさまざまです。副業は大きく2つのパターンに分類できると考えています。
1つは、切り出しやすい機能・役割としての副業です。例えば、私が所属するLayerXでは、Podcastに力を入れていて、週に1回ぐらいのペースで配信しています。Podcastの編集とプラットフォームへのアップロードと言う役割を担っているのは、副業のメンバーです。こうした細かいタスクはついつい後回しにされがちで、結果的に更新に遅れが出てしまうこともあります。