「ようやく胸を張って世の中に出せるものになってきた」(平尾氏)からこそ約2年半ぶりとなる外部調達を決断し、ここからは組織体制を強化しながら一気に事業を加速させる計画だ。

冒頭でも触れた通りコロナの影響で事業環境が悪化し、広告宣伝に使える予算を減らす企業も多い。マーケティング投資の最適化は今まで以上に重大なミッションとなっている。

「従来はテレビCMはテレビCM、ネット広告はネット広告という形で独立した指標で分析をして、部分最適になっている企業も多かった。それが近年デジタル広告が急激に伸びる中で、デジタルにずっと投資をしたからといって必ずしも同じような成果が出続けるわけではないということが見えてきました。改めて俯瞰的に全体を見た上で本当に最適な予算配分を考えたいという企業が増え、結果的にマゼランへの引き合い自体も増えている。その動きを今回のコロナがさらに加速させたような印象です」(平尾氏)

「自分たちが最適化しているオフライン広告は、企業のコストの中でも説明が難しかった部分です。だからこそ実はしっかりと分析をすればオフラインの方が投資効率が良いのに、オンライン広告に流れてしまうケースもありました。このような市況だからこそ、オフラインとオンラインを統合して広告の最適化を図りたいというニーズは増えていくと感じています。広告をサイエンスする動きが広がる中で、そのサポートをしながら自分たちも一緒に成長していきたいと考えています」(サイカ執行役員CFOの杉山賢氏