マゼランの機能構成。統計的な分析手法を基に、オンライン広告・オフライン広告を統合して各施策の成果を正確に分析できるのが特徴
マゼランの機能構成。統計的な分析手法を基に、オンライン広告・オフライン広告を統合して各施策の成果を正確に分析できるのが特徴

サイカが開発するマゼランはMMM(マーケティング・ミックス・モデリング)という手法を軸にした広告分析ツールだ。

MMMとは統計的な分析手法を基に、さまざまなマーケティング施策が事業成果に与える成果を定量的に測定し、マーケティング投資の最適化やシミュレーションを行うアプローチのこと。マゼランではオンライン広告・オフライン広告を統合して各施策を適性に評価することで、成果への貢献度だけでなくROI(費用対効果)を踏まえた最適な予算配分を算出できる仕組みを作った。

サイカ代表取締役CEOの平尾喜昭氏によると、ここ20年で広告媒体が多様化する中で、企業のマーケターは「結局どの広告がどれだけ成果に繋がったのかがわからない」「その結果として適切な予算配分ができない」という2つの課題を抱えているという。マゼランではこれらの課題をツールとCSメンバーによるサポートで解決する。

たとえば企業がテレビCMを実施する際にはオンライン広告や交通広告などと連動してプロモーションをかけることが多いため、テレビCMだけの成果を正しく評価するには他の施策の成果を差し引いて考えなければならない。そうでなければ“過大評価”に繋がってしまう可能性があり、適切な予算配分も実現できないからだ。

従来こうした複雑な分析はデータサイエンティストなど“分析のプロ”が時間をかけて行ってきたが、マゼランでは同じような分析業務を「現場のマーケター」が限られた時間で実施できるのが大きな特徴。これまで属人的で労働集約的だった業務を誰でもできるようにするという意味では「分析の民主化という側面もある」(平尾氏)という。

認知から成果に至るまでのつながりを可視化
認知から成果に至るまでのつながりを可視化
統合的に分析することで自社にとって最適な予算配分を算出
統合的に分析することで自社にとって最適な予算配分を算出

またサイカのCSチームには事業会社や広告代理店で実際にマーケティングの現場を経験してきた“元マーケター”が集結。「ツールで分析をした後にどのようなアクションをすべきなのか」はCSメンバーがしっかりとサポートする体制ができているそうだ。

4年間かけてプロダクトの磨き込みとサポート体制の強化を進めてきた結果、独自の分析技術やナレッジも溜まってきた。特にテレビCMを科学するような分析ツールは近年増えてきているものの、コアとなる分析技術では負けない自信があるという。

現在はライオンやパナソニック、KDDIなど広告予算の大きいエンタープライズ企業を中心に導入企業は100社を突破。昨年ショッパーズアイが実施したサイト比較イメージ調査では「CM効果分析ツール」を含む3部門でナンバー1を獲得するなど、定性的な評価も高めてきた。