2021年上半期に大ヒットした短編アニメ『PUI PUI モルカー』 ©見里朝希JGH・シンエイ動画/モルカーズ
2021年上半期に大ヒットした短編アニメ『PUI PUI モルカー』 (c)見里朝希JGH・シンエイ動画/モルカーズ

“覇権アニメ”──そう言われるほど、ネットユーザーを中心に話題を集め、瞬く間に“カルト的人気”を得た短編アニメがある。それが『PUI PUI モルカー』だ。

PUI PUI モルカーは、モルモットが車になった“モルカー”たちの日常生活を描いた短編アニメ。モルカーは羊毛フェルトでできており、モルカーの声は実際のモルモットが担当している。作品自体は人形やぬいぐるみ、ミニチュアセットなどを使って、1コマずつ静止画を撮影してつなげた“ストップモーションアニメーション(ストップモーションアニメ)”という手法で制作されている。

放送が開始されたのは2021年1月。テレビ東京の子ども向けバラエティ番組「きんだーてれび」内で1話目が放送されると、Twitterで話題に。モルカーの可愛らしい見た目に反して、話の内容は交通渋滞や銀行強盗、ながら運転、飼い猫の車内放置を取り扱うなど、"社会風刺”の要素を盛り込んでいる点が、ネットユーザーの心をつかんだ。

モルカーのなかでも特に臆病な性格のシロモは銀行強盗に乗っ取られてしまう(第2話)。©見里朝希JGH・シンエイ動画/モルカーズ
モルカーのなかでも特に臆病な性格のシロモは銀行強盗に乗っ取られてしまう(第2話)。(c)見里朝希JGH・シンエイ動画/モルカーズ

1話あたり約2分40秒という短さながら、最新話が放送されるたびにTwitterで“モルカー”がトレンド入りするなどの盛り上がりを見せた。また最終回が放送された後はTwitter上で“モルカーロス”を嘆くツイートが続々と投稿された。そうした思いに応えるように、テレビシリーズ全12話が7月22日から2週間限定で劇場公開される。

まさに社会現象を巻き起こした、と言っても過言ではないほどの人気を集めたPUI PUI モルカーはいかにして生まれたのか。