「自力整体」とは、整体プロの技法を自分におこなう人気メソッドです。「10年間苦しんできた慢性痛から解放された」「脊柱管狭窄症の診断を受けたが、痛みが和らぎ手術を回避できた!」「7年間不眠症に悩まされてきたが、久しぶりにぐっすり眠れた」「健康的にダイエットできた」など、多くの声が寄せられています。
現在、国内・海外で約15,000名が実践。鍼灸、整体、ヨガを構成した動きで、痛み、コリ、冷え、疲労、不眠、便秘、不定愁訴を解消します。
今回、3分以内で痛みや不調を解決するワークを集めた『すぐできる自力整体』が発売。症状別の「悩み解決ワーク」のほか、じっくりほぐして骨盤調整もできる「4つのコース(動画つき)」を収録。著者の矢上真理恵さんは、「不調のほとんどは自力整体で解消できる」と語ります。
本書より一部を抜粋・編集し、その中身を紹介しましょう。
監修:矢上 裕 矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
(写真/榊智朗 構成/依田則子)

整体プロが放っておけない「手首の詰まり」とは? 喘息・アトピーも和らぐ、ほぐしのワーク

「手首」をほぐして、60歳だった肺年齢が21歳に。喘息を克服したAさん

「自力整体」は、鍼灸でおこなう経絡治療を応用しています。経絡(けいらく)とは「気」が通る筋道、血管やリンパの流れに沿うとされています。この経絡の流れが滞ると、同時に血液やリンパの流れも悪くなると考えられています。とくに「手首」は、たくさんの経絡の通り道であり、ツボも集中。滞りやすい場所でもあり、手首が詰まると様々な不調が現れます。

 たとえば、東洋医学ではアトピーや気管支喘息などは、手首を通る経絡「肺経」の異常から起きるとされています。

『すぐできる自力整体』のモニター企画に参加されたAさん(女性)は、腱鞘炎と気管支喘息に悩まされていました。腱鞘炎のような手首の異常は、肺にも不調が出やすいのです。

 Aさんには、おもに「手首」の経絡をほぐす自力整体をアドバイス。すると3ヵ月後、腱鞘炎が改善。すると、なんと60歳だった肺年齢も21歳になり、気管支喘息を克服されたのです。

 今回は、『すぐできる自力整体』の中から、この「肺経」の詰まりを解消するワークを紹介しましょう。

アトピーや喘息、動悸や不眠の解消にも役立つ「手首ほぐし」のワーク

 このワークは、手首を流れる経絡(肺経、心包経、心経)を刺激して、様々な不調を取り除きます。「肺経」は、アトピー、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、花粉症、腱鞘炎、のどの痛みなど。「心包経」「心経」は、動悸、息切れ、不眠、うつ、パニック障害などの緩和に役立ちます。

 画像を見ながらおこなうとわかりやすいでしょう(※画像は『すぐできる自力整体』の「四つんばいでおこなう5分コース」より抜粋)。

整体プロが放っておけない「手首の詰まり」とは? 喘息・アトピーも和らぐ、ほぐしのワーク
整体プロが放っておけない「手首の詰まり」とは? 喘息・アトピーも和らぐ、ほぐしのワーク

◎「手首のほぐし」のワーク(※この記事の「画像」をご参照ください)

【手順】動作はゆっくり、時間はご自身のペースでおこないましょう
◆四つんばいになり、右手の指をひざ側に向け(手のひらは床へ)、左手で右の指の付け根を押さえる。この時、足の指を内側へそらせる
※つらい人は手の位置をひざに近づけたりして刺激を調整
◆息を吐きながら、ゆっくりお尻をかかとへ近づける。体を前後にゆする
※ポイント:手の指・手のひらのほぐれを感じる
◆四つんばいに戻り、右手の甲を床へ。右手のほぐれを感じる
◆反対側も同様におこなう
 ※硬い側は長めにおこなう

※『すぐできる自力整体』では、この他にも、整体プロの技法を使って、コリや痛み、ゆがみを解消するワークを多数掲載しています(★35分の動画も収録)。

整体プロが放っておけない「手首の詰まり」とは? 喘息・アトピーも和らぐ、ほぐしのワーク矢上 真理恵(やがみ・まりえ)写真左
矢上予防医学研究所ディレクター
1984年、兵庫県生まれ。高校卒業後単身渡米、芸術大学プラット・インスティテュートで衣装デザインを学び、ニューヨークにて独立。成功を夢見みて、徹夜は当たり前、寝るのはソファの上といった多忙な生活を続けた結果、心身のバランスをくずし動けなくなる。そのとき、父・矢上裕が考案し約15,000名が実践している「自力整体」を本格的に学び、心身の健康を取り戻し、その魅力を再発見。その後、自力整体ナビゲーターとして、カナダ、ヨーロッパ各地、イスラエルにて、クラスとワークショップを開催。さらに英国の名門セントラル・セント・マーチンズ大学院で「身体」をより体系的に学び、2019年に帰国。現在、国内外の人たちに自力整体を伝えながら、女性のための予防医学をライフワークにしている。著書に、『すごい自力整体』(ダイヤモンド社)がある。

監修者:矢上 裕(やがみ・ゆう)写真右
矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
1953年、鹿児島県生まれ。関西学院大学在学中の2年生のとき、予防医学の重要性に目覚め、東洋医学を学ぶため大学を中退。鍼灸師・整体治療家として活躍するかたわら、効果の高い施術を自分でできるように研究・改良を重ね「自力整体」を完成。兵庫県西宮市で教室を開講、書籍の出版やメディア出演などで注目され、全国から不調を抱える人々が続々と訪れるようになる。現在約500名の指導者のもと、約15,000名が学んでいる。著書に『自力整体の真髄』『はじめての自力整体』(ともに新星出版社)など多数。遠隔地の人のために、オンライン授業と通信教育もおこなう。 写真/榊智朗