冷え、だるさ、むくみ、疲れ、肩コリ、腰痛、便秘、不眠といった、なんとなくの不調。『すごい自力整体』の著者・矢上真理恵さんは、「不調のほとんどは自力整体で解消できる」と語る。「自力整体」とは、人の手を借りずに、「整体施術のプロの技法」を自分におこなえるメソッド。
体のゆがみを正しい位置へ戻し、筋肉や関節のコリをリリースして、不調を根本から取り除くワークだ。現在、若い世代から高齢の方まで約15000人が実践している。東洋医学をベースにしながら効率的に問題解決するのも人気の秘訣。なぜ「自力整体」のワークは効率的にコリや痛みを解消できるのか？ その理由や「自力整体」のやり方について、著者の矢上さんに話を伺った。（構成／依田則子 撮影／榊智朗）
監修：矢上 裕 矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
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コリや痛みのほとんどの原因は、「骨格のゆがみ」「血行不良」「筋肉疲労」から
――坐骨神経痛と股関節痛に悩まされていたのですが、矢上さんの著書『すごい自力整体』に掲載のショートレッスンをおこなうと、しばらく痛みが消えてラクになります。
矢上真理恵（以下「矢上」）：それはよかったです。私の生徒さんも、「痛みが出たとき、どう対処していいのか途方にくれていましたが、今は自力整体で、痛みを解消する方法を知っているので安心です」とおっしゃってくれています。
――さらにすごいのは、気持ちよすぎて途中で寝落ちしてしまうところです。
矢上：じつは私もレッスンの後、アクビがいっぱい出るんですよ。これは、緊張している筋肉や関節がほぐれて、副交感神経が優位になるからなんです。よく生徒さんから「自力整体は最高の眠り薬ですね！」なんて言われます。
――若い世代やアスリート、90代の高齢の方まで、幅広い年齢層の方が実践されているそうですが、とくにどんな方におすすめですか？
矢上：体のどこかに痛みがある方や、原因がはっきりわからないけれど、なんとなく体調が悪いという方におすすめです。他にも、座っている時間が長い人、熟睡したい人にも実践していただけたら。また、体をゆるめるだけで健康的に痩せられるので、ダイエットにもおすすめです。
――そもそもコリや痛みは、なぜおこるのでしょうか。
矢上：ご存じの方も多いと思いますが、コリや痛みのほとんどの原因は、「骨格のゆがみ」「血行不良」「筋肉疲労」から発生します。ですから、「自力整体」では、鍼灸や整体治療の技術をつかって、この3つの原因を根本から解決していきます。
――おもに、どんなワークをおこないますか？
矢上：筋肉を柔らかくほぐし、ゆるめ、その奥の関節のズレや引っかかりを解消し、ゆがんだ骨格を元の位置に整えます。このプロセスで、血行不良を改善していきます。ただし血行不良にならないために、日ごろから姿勢のクセを見直すことも大切ですよ。
矢上真理恵（やがみ・まりえ）矢上予防医学研究所ディレクター
1984年、兵庫県生まれ。高校卒業後単身渡米、芸術大学プラット・インスティテュートで衣装デザインを学び、ニューヨークにて独立。成功を夢見みて、徹夜は当たり前、寝るのはソファの上といった多忙な生活を続けた結果、心身のバランスをくずし動けなくなる。そのとき、父・矢上裕が考案し1万5000名が実践している「自力整体」を本格的に学び、心身の健康を取り戻し、その魅力を再発見。その後、自力整体ナビゲーターとして、カナダ、ヨーロッパ各地、イスラエルにて、クラスとワークショップを開催。さらに英国の名門セントラル・セント・マーチンズ大学院で「身体」をより体系的に学び、2019年に帰国。現在、国内外の人たちに自力整体を伝えながら、女性のための予防医学をライフワークにしている。 写真／榊智朗
監修者：矢上 裕（やがみ・ゆう）
矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
1953年、鹿児島県生まれ。関西学院大学在学中の2年生のとき、予防医学の重要性に目覚め、東洋医学を学ぶため大学を中退。鍼灸師・整体治療家として活躍するかたわら、効果の高い施術を自分でできるように研究・改良を重ね「自力整体」を完成。兵庫県西宮市で教室を開講、書籍の出版やメディア出演などで注目され、全国から不調を抱える人々が続々と訪れるようになる。現在約500名の指導者のもと、約1万5000名が学んでいる。著書に『DVDで覚える自力整体』『DVD3分から始める 症状別 はじめての自力整体』（ともに新星出版社）など多数。遠隔地の人のために、オンライン授業と通信教育もおこなう。
