ここ2、3年は世界各地の株式市場が波乱に見舞われたが、中でも大揺れだったのがインドだ。2021年のテック企業ブーム、22年の暴落、そして今年は国内屈指の複合企業アダニ・グループへの空売り攻撃があった。だが2023年の年末を迎え、インド株は絶好調の兆しを見せている。ナショナル証券取引所(NSE)上場の50社で構成するニフティ50指数は3月末からの上昇率が20%を超え、米S&P500指数など世界の主要株価指数の大半を上回っている。さらに、流動性とテックブームに支えられて投資熱が盛り上がった20、21年とは異なり、今回の上昇にはより強固な裏付けがある。成長は力強く、利益率は上昇し、バリュエーションも盤石に見える。例えば上場投資信託(ETF)「iシェアーズ・インドMSCI ETF」の12カ月先予想株価収益率(PER)は21倍で、S&P500指数の19倍をわずかに上回っている。同ETFのコロナ禍前の平均も約19倍だった(ファクトセット調べ)。
躍進のインド株 強さの秘密は?
2020、21年の上昇局面よりも支援材料が豊富に
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