目先の金利を巡る不透明感が、2023年の米株式市場の動向を支配してきた。金融政策がこれほど顕著に投資結果に影響を及ぼすのは、恐らく1970年代以来かもしれない。当時は天井知らずのインフレと高金利が「今ある危機」だった。だが注意深く見ると、ウォール街が影響されているのは現実よりも認識だと思われる。現実には企業や個人のバランスシートは依然としておおむね健全であり、企業は百戦錬磨で、失業率は低水準にとどまる。同様に経済環境を取り巻く停滞感は、われわれが実際に目にする状況とは裏腹だ。クルーズ旅行は完売し、飲食店は満席となり、年末商戦は好調なスタートを切り、7-9月期決算が予想を上回ったS&P500指数構成企業は82%に達する。
23年の米国株から得る教訓、来年避けるべきワナ
FRBの政策巡る「認識」に左右された1年だが、「現実」は悪くない
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