人に安心感を与える人のコミュニケーション

 対して、人に安心感を与える人は、相手のペースに合わせて話をしたり、物事を考えたりします。先ほどのように転職の相談をされたときは、必ず最後まで話を聞きます。

 そのうえで「相談してくれてありがとう。それは悩むよね」とまずは相手の話を肯定するところからコミュニケーションを始めるのです。

 威圧感を与えてしまう人は、「話はわかった。私はこう思う」と相手の正面に立って話すのに対し、安心感を与える人は、共感から始めることによって相手の横に並ぶような形でコミュニケーションを取ることで、相手が話しやすい環境を整えるのです。

 加えて、自分から結論づけたり、話のペースを上げるようなことはせず、あくまで聞き役に徹することで、人に安心感を与えています。

 こういったコミュニケーションは売れっ子芸人のほとんどが身につけています。

 たとえば、トーク番組でゲストが話しているあいだに頷いたり、ときに「わかる」と言って相手を安心させるのは相手に安心感を与えるテクニックのひとつです。

 同時に、芸人の場合は、ほぼ必ず、人が話し終わったあとに、「たしかに、そういうことってありますよね」と必ず相手を肯定するコミュニケーションからはじめることで相手がさらに話しやすい環境も一瞬で整えます。

 ちょっとした気遣いの差なんですが、その効果は非常に大きいものです。ぜひ頭の片隅に入れておいていただけると幸いです。