「こんなに利益が出たのに、手元に残るお金はわずか」
経営者なら、誰しも一度はこう思うはずです。だからといって、小手先の節税に躍起になってはいけません。会社のお金を1円でも多く残し、そのお金を会社の投資にまわし、会社をより成長させる。それこそが経営者の仕事です。
本連載は、「1円でも多く会社と社長個人にお金を残す方法」を学ぶものです。著者は、財務コンサルタントの長谷川桂介氏と公認会計士・税理士の黒瀧泰介氏です。インボイス制度、各種法律に完全対応の『今日もガッチリ資産防衛――1円でも多く「会社と社長個人」にお金を残す方法』の著者でもあります。経営者の超リアルなお金の悩みに対し、あますところなく解決策を提示した1冊になっています。
税務署は何を見ている?
節税対策をしていると、怖いのが税務調査ですね。税務調査の調査先は、何らかの指標をもとにあたりをつけ、決算内容に問題がありそうな会社を狙い撃ちしているようです。
税務署としても、「ランダムに選んで調査に入った結果、不自然な点は何ひとつなかった」というのは避けたいのでしょう。そこで本日は「税務調査に入られやすい会社の特徴」についてお話しします。
①前回調査から3~5年以上経過している会社
税務調査は、3~5年を目安に行われやすい傾向にあり、その周期についてはいくつかパターンが存在します。
過去の調査で悪いことが発覚したり、調査員の印象が悪かったりする場合は、「3年に1回」といった短い周期で税務調査がやってきます。一方、前回調査が入ったときに軽い指摘だけで終わった会社は、5年ほどの間隔を空けて税務調査が来ることが多くなります。
ただし中には、「起業してから10年近く経つのに、まだ1回も税務調査が入ったことがない」という人の話も聞いたことがありますが、そのような会社はおそらく、売上や経費などのデータにおおむね異常がなく、かつ企業の規模もそれほど大きくないのでしょう。
そのような会社は「長期未接触」の会社と呼ばれます。税務調査は通常、数日かけて行われますが、「長期未接触」の会社は、状況を確認する意味で、1日だけの調査となることもあります。