「こんなに利益が出たのに、手元に残るお金はわずか」
経営者なら、誰しも一度はこう思うはずです。だからといって、小手先の節税に躍起になってはいけません。会社のお金を1円でも多く残し、そのお金を会社の投資にまわし、会社をより成長させる。それこそが経営者の仕事です。
本連載は、「1円でも多く会社と社長個人にお金を残す方法」を学ぶものです。著者は、財務コンサルタントの長谷川桂介氏と公認会計士・税理士の黒瀧泰介氏です。インボイス制度、各種法律に完全対応の『今日もガッチリ資産防衛――1円でも多く「会社と社長個人」にお金を残す方法』の著者でもあります。経営者の超リアルなお金の悩みに対し、あますところなく解決策を提示した1冊になっています。

【税務署は見ている】社長の「絶対NG行動」ワースト1Photo: Adobe Stock

いきなり手取りが100万円増える!? すごいメカニズム

 中小企業が節税を考えるうえで、「役員報酬」はとても重要な役割です。ルールをしっかり守れば損金算入できますから、設定次第で節税効果が高くなります。

 役員報酬の金額によっては、配偶者を常勤役員にし、相応の報酬を払うことで、節税効果が高まる場合もあります。

 例えば、役員報酬1500万円を受け取る場合を考えてみます。下図を見てください。

【税務署は見ている】社長の「絶対NG行動」ワースト1出典:『今日もガッチリ資産防衛――1円でも多く「会社と社長個人」にお金を残す方法』

 社長がひとりで受け取る場合、手取りは約1016万円、一方、配偶者と「900万円・600万円」で分散した場合、手取りは約1116万円となり、約100万円増える計算になります。

 このようにかなりの違いが出ます。所得分散効果は、役員報酬が高くなればなるほど大きくなります。もちろん、配偶者が報酬に見合った業務を行っていることが前提です。

 さて、この話に関連して、よくいただく質問と絶対やってはいけないことを紹介します。