米オハイオ州クリーブランド在住のテクニカルライター、クリス・ピナーさん(42)は自分の最終勤務日が今月29日であることを知っている。勤務先のソフトウエア会社から4月に通告されたからだ。最初は自分の仕事がなくなるという通告をずいぶん前に受けたことに困惑したが、そのおかげで仕事探しに費やせる時間が増えたため、よかったと思っている。最終日が近づいているが、ピナーさんはまだ職探しモードだ。ピナーさんのように雇用の終了に直面している多くの労働者が、これまでとは異なる人員削減を経験している。数週間から数カ月という長い「滑走路」付きのレイオフだ。銀行大手ウェルズ・ファーゴや娯楽大手ディズニーなどの米企業は従来のやり方――従業員がレイオフを通告された当日、警備員に付き添われて会社を去る――の代わりに、事前通告期間を長く取る「長いお別れ」をするようになった。