Oさんが、このカウンセリングにより自分の性格に気付き、以前に比べて自分を大事にできるようになったことで、転職活動にも効果が現れた。「合わないと感じる企業はすぐに断り、自分自身が興味を持つ企業や仕事が、直感的にわかるようになった」のだと言う。そして、外資系の事業会社で業務改善を担うプロジェクトマネージャーへと納得のいく転職を果たし、今は生き生きと働いている。
転職だけがゴールではない
都内の人材会社で営業職をしていたKさん(28歳・男性)も、ゲキサポユーザーの1人だ。上司と性格が合わず精神的に苦痛を感じ、休職か転職を視野に入れつつサービスに申し込んだ。「このタイミングで客観的に自分の人生の棚卸しをしたかった。全部さらけ出す覚悟で臨みました」(Kさん)
週に一度の面談と毎日のチャット相談を通して自己分析を行い、6回目の面談を受けたあと、状況が一変した。これまでは大の苦手だった営業で、成績を残せるようになったのだ。
「過去に営業職を経験してきたトレーナーさんのアドバイスのおかげでした。面談の中で『売ろうとするのではなく、お客さんのことを一番考える』という営業の極意を教えてもらい、仕事へのスタンスが変わったんです。結果が出るにつれ自信がついてきて、自然と仕事が楽しくなりました」(Kさん)
その結果、転職してもしなくても楽しく働けるようになったKさんは、今の職場に残ることを決めた。
「自分が変われば環境も変わっていくのだと実感しました。苦しい時期って、1人ではとても自分を見つめ直せないですけど、一緒に見てくれる人がいると、どうにか振り返ることができるんです。人生がつらくてどうしようもない人や、『自分は社会不適合者だ』と悲観している人は、一度でいいから諦めずに相談してみてほしい。たった1人でも自分のことを信じて認めてくれる人がいれば、意外と頑張れるものです」(Kさん)
選択肢ばかり増えた20代の迷い
ゲキサポを提供しているスタートアップ企業・ポジウィル代表取締役の金井芽衣氏は、ゲキサポを“キャリアのライザップ”と呼んでいる。申し込んでくる若者の多くが「ダイエットしようとしても、何をしたらいいか分からないように、何が正しいかわからなくて不安な人」だと言うのだ。
「具体的な転職意向までは固まっておらず、『今の会社でいいのかな』とか『やりたいことが見つからない』とか、ぼんやりとした悩みを抱えている場合がほとんど。悩みの内容を一緒に整理して、常に相談する相手を欲しているんです」(金井氏)