いつも他人と比べてしまう」「このままでいいのか、と焦る」「いつまでたっても自信が持てない…」。仕事や人生に悩んでしまった時、どう考えればいいのでしょうか。『機嫌のデザイン』の著者であり、数々の名言がTwitterで話題となった、プロダクトデザイナー・秋田道夫氏の「毎日を機嫌よく生きるためのヒント」を紹介します。(初出:2023年3月29日)

機嫌がいい人が「挨拶を無視」されても気にしない理由【書籍オンライン編集部セレクション】Photo: Adobe Stock

出かける時にはユーモアと機嫌のよさをポケットに

機嫌よくあろうと心がける意味は、自分を「景色」として考えた時に「綺麗な景色」でありたいと願うからなのです。

わたしの姿はまわりから見た時に「景色」の一部ですよね。

世界が美しくあってほしいのならば、その景色の一部である自分からまず整える。

わたしが機嫌にこだわるのは、そんな理由からです。

自分が気持ちいいからとか、いい人と思われたいからではない

そんなに都合よくはいかないですよね。

池に鉄の斧を落としたら金銀の斧が返ってくるなんて幻想です。

何も起こりません。

機嫌をよく保つということは、つまり、「期待をしない」に相通じるのです。

景色としての自分を整えるコミュニケーション

たとえば、初対面の人に対する挨拶は、相手との適切な「間合い」を測るための手段です。

こちらから「おはようございます」と挨拶をしてみて、気持ちよい挨拶が返ってくるのか、まったく無言で何も返ってこないのか。

この違いによって、どのくらいの距離を保つべきなのかの目安がつかめます。

すると、余計な擦れがなくなる。

「摩擦を生まない」というのは、機嫌を保つうえで大切です。

挨拶は「間合い」を測るための技術

イルカやコウモリは超音波を出して仲間との距離を測るといいますが、それと同じような感覚ですね。

超音波を自分から出して、相手から返ってこなかったとしても、だからといってどうこうするわけでもありません。

心地よい超音波が返ってきた人と、交流が生まれる可能性は高くなりますが、それにこだわるということでもありません。

「景色としての自分」を美しく保つ気持ちに立てば、ずいぶんとゆとりが生まれるものです。

(秋田道夫著『機嫌のデザイン まわりに左右されないシンプルな考え方』から一部を抜粋・改変したものです)