チャットボット(自動会話プログラム)「チャットGPT」が公開されてまもなく、創業166年の米誌アトランティックは、生成人工知能(AI)がもたらす脅威を洗い出した。筆頭に挙がったのは、グーグルがこの技術を採用することだった。アトランティックのウェブサイトは、トラフィックの約40%がグーグル検索で表示されたリンクから来ている。同社はグーグルが検索エンジンにAIを搭載するとどうなるかをモデル化した。結果は、75%の確率でAI検索エンジンがユーザーの質問に対して十分な回答を表示し、同誌のサイトは獲得できたはずのトラフィックを逃すことになる、というものだった。仮定の脅威だったものが、今や極めて現実味を帯びている。グーグルは5月、約1000万人のユーザーを対象に「生成AIによる検索体験(SGE)」というAI製品を試験導入し、これを検索エンジンの中核に据える意向を声高に表明している。