子どもにお手伝いさせない親がダメな理由「危ないから」「自分でやった方が早い」の罠写真はイメージです Photo:PIXTA

「お手伝いは、子どものやる気を高める最高の方法」そう語るのは、日米で学習塾を経営し25年間で延べ5000名以上のバイリンガルを育成しているTLC for Kids代表の船津徹氏。「こんなにも具体的で内容が詰まっているものは初めて!」「目からウロコ」と子育て世代に話題の新刊『「強み」を生み出す育て方』の中から、あなたの子育てを応援するとっておきのヒントをお届けする。

※この記事は『「強み」を生み出す育て方』(船津徹・ダイヤモンド社)から一部を抜粋・再編集したものです。

「お手伝い」=最高の成功体験

 子どもの自主性を育て、やる気を高める最高の方法は「お手伝い」です。子どもに簡単なお手伝いを頼み、手伝ってくれたら、「ありがとう。助かったわ」と感謝して抱きしめる。すると子どもは、「自分はできる」という自信を大きくすることができます。

 お手伝いを頼む時は、命令で子どもを動かそうとしてはいけません。小さな用事でも「頼むこと」を忘れないでください。「〇○ちゃん、このお皿をテーブルに持っていってくれるとママ助かるわ」と頼めば、子どもは必ず応えてくれます。そして手伝ってくれたら「ありがとう。〇○ちゃんのおかげで助かったわ。頼りになるわ」と抱きしめて感謝します。

 子育て上手な親は、子どもに頻繁にお手伝いを頼み、成功体験のインプットを積み上げています。人から感謝される喜びをたくさん経験して育った子どもは、前向きで積極的な人柄に育ちます。

 小学生以上の子どもには、料理の手伝い、家の掃除や洗濯、ゴミ出しなどを任せて報酬としてお小遣いを渡しましょう。家事分担を決める時は、親が一方的に決めるのではなく、子どもにも相談して一緒に決めることがポイントです。

 食事の準備と片付けは毎日。週末には部屋掃除とお風呂掃除。毎月これを達成したら、報酬としてお小遣いを2000円あげる。このようなルールを決めて、紙に書き出し、子どもの目に入る場所に貼っておきましょう。そして、毎月の達成具合を親が評価してお小遣いをあげるようにします。

 お小遣いを定額であげるのではなく「報酬制」にすることで、子どもは意欲的に働くことで「対価」を得るという社会の仕組みを理解することができます。働いた時間や労働の結果(どれだけ部屋をきれいにしたかなど)を考慮して、「ボーナス」や「昇給」を決めるのも効果的です。

「わが子の特性を詳しく知りたい!」という方のために、著書『「強み」を生み出す育て方』ではオリジナル診断を掲載しています。すべての子どもが持つ才能を5つに定義し、「わが子の才能」を簡単にセルフ判定できます。

子育てで一番大切なのは「強み育て」だ

子どもにお手伝いさせない親がダメな理由「危ないから」「自分でやった方が早い」の罠「強み」を生み出す育て方』 (船津徹・ダイヤモンド社)定価:1980円(税込)

 子どもが社会の変化に翻弄されずに、自分らしく幸せに生きていくには、失敗や挫折に負けない「たくましさ」を確立しなければなりません。一生ものの武器になるたくましさですが、どのように育てれば良いのでしょうか?

 たくましさが育つ要因は、家柄、血筋、遺伝ではありません。もちろん親の学歴や職業も無関係です。「子どもの潜在的な強みを引き出すこと」でたくましさは育つと断言できます。

 つまり、子育てで最優先すべきは「強み育て」なのです。強みは、音楽でもスポーツでも勉強でも、なんでもいいのです。