関心が高まったきっかけは韓国のBTS、
日本では2023年に普及
若年層からのMBTIへの関心が高まったのは、韓国の人気グループがきっかけの一つだった。2020年、BTSが「MAP OF THE SOUL」という言葉をタイトルに含むアルバムをリリース。ユング分析派の著作から、メンバーがインスピレーションを受けたという。
まずは韓国アイドルたちの間で自己理解を深めるムードが広まり、多くの有名人がアルファベット4文字の性格タイプを公表するようになった。そしてそれを見た日本のYouTuberやVTuber、タレントなども次々と「やってみた」系動画などのコンテンツを公開している、という図式だ。
「MBTI」というキーワードの検索数を調べてみると、韓国で検索が増え始めたのは2021年4月頃から。2022年夏頃のピーク以降は緩やかに下降している。一方、日本では2022年に入ってから上がり始め、2023年に顕著に上昇。細かな上下はありつつ現在も右肩上がり、といった状況にある。
インスタグラムでは「#MBTI」タグの投稿が107万件ヒットした。親しみやすいイラスト付きで各タイプを解説するふうの投稿が、日本語、韓国語のほか、中国語やアラビア語などさまざまな言語で並ぶ。タイプ名を検索してみると、自己紹介欄に同じ4文字を記載している個人アカウントがずらりと表示される。
アルファベット4文字という「記号性」が受けるのだろう。最小限の文字数で、同世代の仲間内に「自分はこんな人」という情報が伝わるのは、確かに都合がいいのかもしれない。
ちなみに肝心の「診断結果への納得度」はどうか。男女40~50代の知人に16Personalitiesをやってみてもらった。全員が好意的な感想を持ったようだ。
「まぁ合ってるのかな、と。これからやりたいことを後押ししてくれる内容で安心した」
「2021年に一度やったけど、結果が変わって今回はよりしっくりきた」
「だいたい合っている。無料部分には良いことが書いてあり、それより先は有料なのかなと思った」
しかしある経験から、筆者はこの「性格診断ブーム」への見方が一変した。