運動したい、でもできない……。そこで本連載は論文マニアとしても有名な大谷義夫先生(医師)が、82の論文、世界の最新エビデンスをもとに正しく効果的な歩き方を書いた本『1日1万歩を続けなさい』から、今日から役立つ「歩き方のコツ」をお伝えします。ウォーキングは体にいい。それはたしかに事実です。でも実は「ただ歩くだけ」では効果が出にくいことをご存じでしょうか。同じ歩くなら「科学的な歩き方」で「最大効果」を手に入れる。ここを目指してみてください。
人はなぜ太るのか?
人間は基礎代謝より多く食べると太ります。
ちなみに成人男性の摂取カロリーの平均は1日約2200kcal、消費カロリーの平均は1900kcal。
つまり普通に食べると余分の300kcalは脂肪として蓄えられ太ってしまうというわけです。
整理をすると?
成人男性の摂取カロリーの平均(日) 2200kcal
平均カロリー消費量(日) 1900kcal
余剰分 300kcal
※2200kcalー1900kcal=300kcal
余分な300キロカロリーを消費する
この300kcal分を消費するのが「1万歩のウォーキング」。
1000歩(時間10分・距離600~700m)を歩くときの消費カロリーの目安は約30kcalなので、1万歩歩けば余分なカロリーを消費できて太りにくい体になります。
図にすると次のようになります。
「1日1万歩」で太らない
これは厚生労働省の主導する「21世紀の国民健康づくり運動(健康日本21)」でも推奨されている歩数です。
だからわたしは「1日1万歩」を推奨しているというわけです。
300kcalを積み上げない
毎日の300kcalの積み重ねで人は気づかぬうちに太ります。
ですから太りたくない人は、余剰分の300kcal分を歩いて消費するようにしてみてください。
ちなみにこの1万歩を一気に歩く必要はありません。
「朝3000歩」「昼3000歩」「夜4000歩」など、トータルで1万歩歩けば大丈夫です。
これを続ければ早晩体が変わるのを、きっと体感いただけると思います。
※本稿は大谷義夫著『1日1万歩を続けなさい』より、一部を抜粋・編集したものです。本書にはウォーキングの効果にまつわるさまざまなエビデンスと、具体的かつ効果的な歩き方が紹介されています。