「こんなに利益が出たのに、手元に残るお金はわずか」
経営者なら、誰しも一度はこう思うはずです。だからといって、小手先の節税に躍起になってはいけません。会社のお金を1円でも多く残し、そのお金を会社の投資にまわし、会社をより成長させる。それこそが経営者の仕事です。
本連載は、「1円でも多く会社と社長個人にお金を残す方法」を学ぶものです。著者は、財務コンサルタントの長谷川桂介氏と公認会計士・税理士の黒瀧泰介氏です。インボイス制度、各種法律に完全対応の『今日もガッチリ資産防衛――1円でも多く「会社と社長個人」にお金を残す方法』の著者でもあります。経営者の超リアルなお金の悩みに対し、あますところなく解決策を提示した1冊になっています。

【超危険】税務調査の「トリプル課税」に要注意!Photo: Adobe Stock

税務署が徹底チェックすること

 節税対策をしていると、怖いのが税務調査ですね。税務調査の調査先は、何らかの指標をもとにあたりをつけ、決算内容に問題がありそうな会社を狙い撃ちしているようです。

 税務署としても、「ランダムに選んで調査に入った結果、不自然な点は何ひとつなかった」というのは避けたいのでしょう。

 そこで本日は「税務調査で指摘されやすいポイント」についてお話しします

交際費に気をつけて!

 経営者なら誰もが、税金を少しでも減らしたいと考えます。そのため、経費にならないような支出でもこっそり経費へ突っ込んでみたくなるものです。

 とくに交際費は、プライベートな支出でも経費として処理されている可能性が高いため、入念にチェックされます。着目されやすいのは、次のようなものです。

・親戚の結婚祝い
・「贈答品」ということにしている自分用の買い物
・「取引先と行った」ことにしている家族旅行
・「接待」ということにしているプライベートの食事
・近所のスーパーで購入した食料品費や日用品(交流会という名目のホームパーティーや事務所備品として購入)

トリプル課税に要注意!

 会社の経費として計上したものが、社長の個人的な支出だと判断された場合は、その支出が社長への役員賞与として全額経費に計上できないばかりか、社長の役員賞与に対する源泉所得税の徴収漏れの扱いになり、さらに賞与認定されると、対象の支出は消費税も認められなくなります。トリプルパンチの課税になることもあるのです。

 ただ、もしも指摘を受けた場合は、認識の違いがどの点にあったのかを話し合い、修正すべき金額の交渉をするなどの対応はしてくれるものと考えられます。

(本原稿は『今日もガッチリ資産防衛――1円でも多く「会社と社長個人」にお金を残す方法』から一部抜粋、追加加筆したものです)