また、経験の少ない業務であればあるほど、小さな成果を積み重ねることがやる気につながります。そのため、業務のゴールを想像しやすいよう、マネジメント層側が意識的にコントロールすることが大切なのです。

 では最初にこのような指示出しをすれば、Z世代はすぐにマスターしてくれるのでしょうか。残念ながら、指導・教育はそれほど単純ではありません。

 適切な指示出しをしたとしても、人は一度では完璧にはできません。正しいやり方を身に付けるまで、何度も繰り返し、指導・教育することが必要です。特に、デジタルネイティブであるZ世代は、メモを取ることをあまりしません。つまり、業務に取り組んでいる際、疑問が生じたり、やり方に迷ったりした時に、振り返るものがないのです。

 そんな時、かつてであれば、よくこんなフレーズを聞きましたね。「前に教えただろう、なんで覚えていないんだ」。これはもちろん、現在ではNGな発言です。

 ここで重要なのは、マネジメントする側が、彼らを“時間をかけて育てていくんだ”という覚悟。子どもに箸の持ち方を教えたり、文字の書き方を教えたりするのと同じで、我々からすれば当たり前のことでも、何度も繰り返し、しつこいほど、丁寧に指導・教育していきましょう。