前回、「就活生35万人のデータで明かす『今どき新入社員』の特徴と育て方、人事コンサルが解説」でお伝えしたとおり、いわゆる「Z世代」に当たる最近の新入社員の価値観と、その上司に当たる管理職世代の価値観には大きなギャップが存在します。その際に、「最近の若者はどうして……」と嘆くのではなく、このギャップを「前提の違い」として受け止めたうえでマネジメントしていくことが重要です。今回は、新入社員をマネジメントする際に押さえておきたい2つのステップについて解説します。(リンクアンドモチベーション カンパニー長 宮澤優里)
マネジメントの土台になる2つのステップ
新入社員をマネジメントする際に重要なのは、「関係構築」と「共感創造」という2つのステップを押さえることです。
(1)関係構築
まずは、新入社員と信頼関係を築くことが重要です。信頼関係ができていなくても表面的な会話は成立しますが、「上司が伝えたことを受け止めてもらえない」「新入社員が悩みを抱えていても相談しない」などの問題が生じてきます。そうなれば、マネジメントが機能しなくなり、新入社員が成長・活躍できなくなったり、最悪の場合は早期の退職に至ったりする可能性があります。
(2)共感創造
その上で重要なのが、会社や職場に対する新入社員の共感を創造することです。終身雇用を前提とした企業と個人が「縛り・縛られる」関係から、転職が当たり前となり「選び・選ばれる」関係になった今、熱心な若手社員ほど「この会社で働く意味」を考え続けています。高いモチベーションを持って働き、会社に貢献し続けてもらうためには、信頼関係をベースに会社や職場へのポジティブな共感を生み出し、「この会社・職場で働き続けたい」と思ってもらうことが重要です。
今回は、「(1)関係構築」の心構えやポイントについて解説していきます。