キャリアの第一歩、あるいは新たなキャリアに進むためには、まずはそのための「資格」を得る必要がある。この資格とは、ライセンスや検定ではなく“挑戦者”としての資格を指す。転職や就職で希望にマッチした企業や仕事を選ぶ際「いい選択」をするにはコツがあり、そこで選んだ道を自ら肯定する「自己効力感」を得る努力が欠かせないという。本稿は、青田努『図解「いいキャリア」の育て方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を抜粋・編集したものです。
若手時代に行うべきは
選択肢を広げる努力
キャリアの第一歩(もしくは新たな一歩)を踏み出す際に知っておきたいのは、「1.関心の幅」「2.自己理解」「3.企業理解・職種理解」「4.意思決定」「5.自己効力感」という5つの要素。本稿では、このうち「4.意思決定」と「5.自己効力感」の2つについて解説します。
4 意思決定
挑戦権(資格)を得るために大切なこと、その4は「意思決定」です。人生は選択の連続で、何度も意思決定を繰り返していきます。仮にミスチョイスをしてもやり直す手段はあるでしょうが、仕事選びは重要な意思決定になるからこそ、外したくないという人も多いかと思います。
それでは、いい選択をするにはどうすればいいのでしょうか?
分解してみると、選択には5つの要素があります。ここでは、この5つの要素と、それらに対する阻害要因をセットにして整理してみました。
要素1:選択肢
第1の要素は「選択肢」です。いい選択ができる可能性を高める上で、選択肢を増やしていくこと自体はムダではありません。選択肢だけ多くても意味はないのですが、とはいえあまりに少ない状態だと「自分にとってのいい選択肢」が含まれていない可能性もあります。キャリア選択の場であれば、内定が得られていない状態では入社する会社を選びようがない、という状態です。
そのため、特に若いうちは選択肢を広げるための努力が必要です。内定によって選択肢を得るだけでなく、自分が「この仕事も面白そう」「こういう働き方もありだな」と思えるように自身の価値観=選択肢となるゾーンの拡大をしていくことが大切になってきます。また、自身を成長させて内定を得やすくすることもこれに相当します。