世間一般の基準ではなく
自分にとっての基準を重視
要素2:選択基準
第2の要素は「選択基準」です。選択肢があればあるほど、それらの中からより良いチョイスをするためには選択基準が必要です。
たとえば就職・転職であれば「やりがい」「給与」「ワークライフバランス」「今後のキャリアの広がり」などたくさんの要素がある中で、何をどれくらいの割合で重視するのか、「自分にとっての基準」がなくてはより適した選択をすることができません。
ここで大事なのは、世間一般の基準や世間体・他人の評判ではなく、あくまでも自分の主観・価値観・感覚・欲を踏まえて考えるということです。グルメサイト上の星の数のみで判断するのではなく、ちゃんと自分の味覚を信じることと同じです。自分は何に喜び、何を大切にするのか、心の声を大切にしてください。
なお、一般的に「選択肢が多いと選べない」と言われることもありますが、そんなことはありません。この基準や選択軸さえハッキリしていれば、選択肢が多いことはそのままプラスになります。
要素3:判断力
第3の要素は「判断力」です。選択肢(要素1)が豊富でも、選択基準(要素2)が明確でも、判断を誤っては意味がありません。それでは判断を誤らせるものは何でしょうか?大きく分けて2つあります。
1つめは「情報不足」です。断片的な情報や信頼性の低い情報しか持たずにイメージで入社先を決めた就活生が、社会人になってから「こんなはずじゃなかった」とギャップを感じるパターンがこれに当てはまります。
2つめは「認知バイアス・認知の歪み」です。人は常に正しく物事を認知できるとは限りません。思考の誤りや思い込みが、意思決定や選択に影響を与えることがあります。認知バイアスや認知の歪みの存在を知っていることは、「自分は認知バイアスにとらわれていないか」と見つめ直す上で有効です。図表に代表的な認知バイアスと認知の歪みをまとめたので、自分が無意識に当てはまっていないか、確認してみてください。

