正解を選ぶことより重んじるべき
選んだものを正解にしていく努力

要素4:決断力

 第4の要素は「決断力」です。これは判断力と似ているようですが別物です。判断がどちらかというと「頭・思考」によるものだとしたら、決断は「ハラ・ハート」によるものです。いわゆるハラ決めです。人は動物です。動物である以上は未知のものを大なり小なり恐れます。また、ひとつに決めることはもう一方の選択肢を捨てることだとも言えます。そのため、過剰な「未知のものへの恐れ」「捨てることへの抵抗」は決断を阻害します。

要素5.その後のスタンス

 第5の要素は「その後のスタンス」です。意思決定はその瞬間だけでは終わりません。むしろスタート地点です。その後に、自分が決めたことが「正しかった」となるようにしていくプロセスが続きます。特にキャリアには正解があるわけではなく、事前に予測しきれるものでもないので、正解を選ぶというよりは、選んだものを正解にしていく努力が必要になってきます。

 一方で、その意識に縛られすぎるのも危険であり、選択に対して努力することと、状況を見直して調整していくことのバランスが大切です。不退転の覚悟は時として自分を必要以上に苦しめることになります。「意思決定したときの自分は、今の自分とは別の人」という捉え方もありますので、自縄自縛になるようなことは回避しましょう。