「今日から身軽に生きていくためのコツを教えましょう」
と語るのは、著書『ストレスフリー超大全』で、ストレスフリーに生きる方法を「科学的なファクト」と「今すぐできるToDo」で紹介した、精神科医・樺沢紫苑氏だ。いま多くの人が、さまざまな「環境の変化」により将来への不安を抱え、「大きなストレス」を感じている。ストレスを溜め込みすぎると、体調を崩したり、うつなどのメンタル疾患に陥ってしまう。「アドバイスを聞いてラクになった!」「今すべきことがわかった!」と、YouTubeでも大反響を集める樺沢氏。そんな彼にストレスフリーの本質について聞いた。
「自分」を大切にして生きる
今日から身軽に生きるコツについて、3つをご紹介しましょう。
まずは、「自分を大切にする」ということ。
自分を大切にし、家族を大切にし、その上で仕事を一生懸命頑張る。その優先順位が大切です。
私は3年間のアメリカ留学で、このことに気づきました。
私の周りのアメリカ人に、仕事のために「自分」や「家族と過ごす時間」を犠牲にする人はほとんどいませんでした。
自分を犠牲に、家族との時間を犠牲にして、仕事を必死に頑張ることほど本末転倒なことはありません。
その結果、心や体の病気になったり、家族コミュニケーションにひびが入り、離婚や親子の断絶が起こるからです。
どれだけ仕事で成功しても、「病気」になったり、「家族崩壊」を起こしては意味がないのです。
「自分を大切にする」というのは、「自分の健康を大切にする」ということでもあります。
「7時間以上の睡眠」「週150分以上の運動」「朝散歩」は、徹底しておこないましょう。
そのシンプルな行いが、「人生を幸せに生きる法則」なのです。
自分から心を開き「相談」をする
2つ目は、「相談をする」ということです。
他人の意見を聞きながら、最後は自分で決めるという順番を守ることが大事です。
人に相談する、第三者の意見を参考にすることで、より正しい判断、決断ができるのです。
私の元には、家族や友人、医者など、「他人に相談できません」という悩みがたくさん届きます。
しかし、いきなり100%の信頼関係がはじまることはありえません。
まずは自分から心を開き、少しずつ関係を深めていくしかありません。
また、メンタルや健康に関する悩みは、しかるべき専門家に相談することです。
医者に対しても同じです。
主治医を信頼し、心を開いて相談することで、初めて回復に向かいます。
心から信頼する人に相談する。
それだけで、世の中の悩み、不安の9割は解決します。
一日を「ポジティブ」に締めくくる
最後は、「一日をポジティブに終える」ということです。
「仕事が忙しくて死にそう。自分は不幸だ」
そう思っている状態でも、見方を変えれば「幸せ」に見えます。
まず、「病気ではない」ですし、「給料をもらえる状態」です。あるいは、家に帰れば家事をやってもらえている状況かもしれません。
病気の人、仕事がない人から見れば、こんなに幸せなことはありません。
どんな人でも、一日の中で必ず「楽しいこと」や「よかったこと」があり、「つらいこと」や「苦しいこと」があ流ことでしょう。
問題は、どちらにフォーカスするかです。
大成功して大金持ちになったとしても、「ネガティブな出来事」にばかり注目していては、幸せにはなれません。
1日の最後に、「楽しいこと」「よかったこと」に注目できる人が、「楽しい人生」「幸せな人生」をおくることができるのです。
おすすめは、寝る前の「3行ホジティブ日記」の習慣です。
必ず一日をポジティブに締めくくってください。それだけで、誰でも幸せになれます。
簡単に今日から幸せになれるのです。これを1ヵ月以上実行した人で、「何の効果もなかった」という人を見たことがありません。
以上の3つを覚えていただき、悩んだとき、困ったときに実行してみてください。
きっと「今日から身軽に生きられる」はずです。
(本稿は、『ストレスフリー超大全』の著者・樺沢紫苑氏が特別に書き下ろしたものです。)
精神科医、作家
1965年、札幌生まれ。1991年、札幌医科大学医学部卒。2004年からシカゴのイリノイ大学に3年間留学。帰国後、樺沢心理学研究所を設立。「情報発信を通してメンタル疾患、自殺を予防する」をビジョンとし、YouTubeチャンネル「樺沢紫苑の樺チャンネル」やメルマガで累計50万人以上に精神医学や心理学、脳科学の知識・情報をわかりやすく伝える、「日本一アウトプットする精神科医」として活動している。30万部のベストセラーとなった著書『精神科医が教える ストレスフリー超大全』(ダイヤモンド社)のほか、シリーズ90万部の大ベストセラーとなった著書『学びを結果に変えるアウトプット大全』(サンクチュアリ出版)など30冊以上の著書がある。