「今日も仕事が、終わらなかった…!!」
毎日「また終わらなかった…」を繰り返して、うんざりしたり、落ち込んだりしていないだろうか。「量が多すぎて残業ばかり」「要領が悪い」「やりたいことができない」など、悩みは根深いのではないだろうか。
「その原因は3つの“隠れたムダ”です」ータスク管理オタクで、ダンドリ磨いて30年超のエキスパート・萩原雅裕さんはこう語る。今回は書籍『「今日も仕事が終わらなかった」はなぜ起きるのか? 仕事が3倍速くなる計画・実行・中断の技術』の中から、「仕事を終わらせる人のコツ」を紹介する。

「部下の仕事が遅い」←無能な上司ほど、こう言う。その残念な理由Photo: Adobe Stock

部下の仕事が遅い理由

 管理職として、「部下の仕事が遅い」と悩んだことはないでしょうか。

 よくある悪いケースが、次のようなアドバイスを部下にしているケースです。

・「考える前にまず手を動かせ」
・「走りながら考えろ」
・「とりあえずやってみて」

 ビジネス経験が豊富で、プレイヤーとして優秀な人ほど、こういったアドバイスをしてしまう傾向にあります。「良かれと思って」かもしれませんが、実はこの一言が、部下の仕事が遅くなる原因になっているのです。

 今回は、「仕事が3倍速くなる計画・実行・中断の技術』の中から、「計画」の技術について紹介しましょう。

「未経験の人」にカンペキな計画は作れない

 私はコンサルや外資で勤め、自分のダンドリを磨いて30年超になります。

 そうした中気づいたことがあります。それは、

・まず頭の中で1回仕事を終わらせる=「脳内リハーサル」が成功している

ということです。

 たとえば、建築の世界で考えてみましょう。建設作業に入る前には必ず設計図や模型図を作ります。もしも、設計図や模型図なしでいきなり工事を始めたとしたら驚きますよね。「待て待て。なんでいきなり始めた? そもそも、なんでそういう発想になる? 逆に、なんでうまくいくと思った?」と激しいツッコミを受けることになるでしょう。

 仕事もこれと同じです。作業に入るのは、きちんとゴールにたどり着けるかを確認してから。そうでないと、回り道をしたり、不要な作業をしてしまいます。

 実は先ほどの「悪い声掛け」に抜けているのが、この視点です。

部下の「脳内リハーサル」をサポートする

 仕事ができる人は、本当に「走りながら考えている」わけではありません。例外なく「計画」に相当する部分をすばやく終えています。

 すでに「脳内リハーサル」も成功している状態。頭の中ではゴールまでたどり着けていて、道筋も見えている。だから「とりあえずやってみる(やったら終わるのは経験済みだから)」と指示してしまうのです。

 しかし、これをビジネス経験の浅い部下にやらせると、どうなるでしょうか。当然、わからないこと、知らないことが出てきます。しかし、当人は「知らないことを知らない」「わからないことがわからない」状態ですから、計画を立てたところでその計画は正確ではありません。いわば「終わらない計画」になってしまうのです。

 つまり、上司のあなたがするべきことは、「部下の“脳内リハーサル”の手伝い」をしてあげること。これができていないと、部下の仕事はどんどん遅れてしまいます。しかしそれは部下のせいではありません。上司のあなたの仕事の振り方に問題があるのです。

(本記事は『「今日も仕事が終わらなかった」はなぜ起きるのか? 仕事が3倍速くなる計画・実行・中断の技術』に編集・調整し、一部特別に書き下ろした原稿です)