性格はこれを「意識」するだけで変えていける
誰にでも、悩みや不安は尽きないもの。とくに寝る前、ふと嫌な出来事を思い出して眠れなくなることはありませんか。そんなときに心の支えになるのが、『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)。ゲイであることのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症――深い苦しみを経てたどり着いた、自分らしさに裏打ちされた説得力ある言葉の数々。心が沈んだとき、そっと寄り添い、優しい言葉で気持ちを軽くしてくれる“言葉の精神安定剤”。読めばスッと気分が晴れ、今日一日を少しラクに過ごせるはずです。

【精神科医が教える】「親のせいじゃなかった!」愛されて育った人が“他人の目”を気にしてしまう意外な理由Photo: Adobe Stock

「他人の顔色」を伺ってしまうのはなぜ?

今日は、「なぜ他人の顔色をうかがってしまうのか」というお話をしたいと思います。親御さんに愛情深く育てられ、決して「毒親」のもとで育ったわけでもない。それなのに、どうしても他人の顔色をうかがってしまうということがあります。

そこには、その人の考え方が「自分軸」か「他人軸」かによるところが影響します。自分軸というのは、「自分が納得して行動する」人。自分がやると決めたことなので、他人の評価はさほど気になりません。自分らしい生き方ができ、もし失敗しても「次はこうしよう」と切り替えが早くできます。

一方、他人軸というのは、行動する時、常に他人の顔色を思い浮かべてしまう人です。「親に怒られないか」「友達に嫌われないか」といったことを基準に行動します。

他人の感情はコントロールできないため、他人軸で生きていると、常に不安で落ち着かない気持ちになります。たとえ今回は嫌われなかったとしても、「次はどうだろう?」と不安が続くため、精神的にとても疲れてしまうのです。

原因は「気質」や「文化」かも

一般的に、他人軸になりやすい人は、いわゆる「毒親」に育てられたケースが多いです。「いい子じゃないと価値がない」と刷り込まれたり、近くに支配的な人がいたりすると、どうしても自分の意思を奪われがちです。

しかし、愛情深く育てられたのに他人の顔色をうかがってしまう場合、それは「性格(気質)」や「文化的背景」によるものと考えられます。

かつての精神医学の診断基準(DSM-IVなど)には、特定の文化圏に見られる精神疾患の概念がありました。日本の文化圏独特のものとして有名なのが「対人恐怖」です。

これは思春期などに多く見られ、「自分がみっともない存在ではないか」「他人に不快感を与えているのではないか」を感じて、人と顔を合わせるのが怖くなる心理状態です。日本人は文化的・遺伝的に、こういった「人目を気にする気質」を持ち合わせている傾向があるのです。

つまり、育ち云々以前に、生まれ持った性格や遺伝的な気質として「気にしてしまう人は気にしてしまう」ということです。ですから、そこについてあまり深く悩みすぎなくて大丈夫です。

性格は「意識」するだけで変えていける

「じゃあ、生まれつきだから変わらないの?」と思われるかもしれませんが、そうではありません。性格には「元々あるもの」と「後天的につくられるもの」があります。

自信満々な人でも、大きな失敗をすれば自信を失うことがあるように、人の性格は変わります。変わるということは、変えることもできるのです。大切なのは、「もっと自分軸になろう」と意識することです。

「自分がやりたいことは何だろう?」「自分が納得する選択肢はどれだろう?」

いきなり性格をガラリと変えることはできませんが、このように日頃から意識をするだけで、少しずつ方向性は変わっていきます。「この考え方は素敵だな」「自分軸になりたいな」と思うだけで、すでに変化への第一歩は踏み出しているのです。

人生は結果ではなく「過程」が大切

親から愛されていても、社会的な地位があっても、顔色をうかがってしまう性格の人はいます。それは単なる気質です。しかし、それは決して変えられないものではありません。「自分軸で生きる」という理想を持ち、それを時々思い出しながら生活してみてください。

人生は結果ではなく「過程」が大切です。少しずつ自分が変化していく、その過程そのものを楽しんで生きていけば、きっと今より幸せになれると思いますよ。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。