米連邦準備制度理事会(FRB)が12日発表した2023年の暫定決算(未監査)は、赤字額が過去最大の1143億ドル(約16兆5700億円)となった。20年と21年に積極的な景気刺激策を実施し、その後、利上げで高インフレの抑制に取り組んだことが赤字につながった。これによって連邦政府は、もとより高水準だった財政赤字がさらに膨らみ、米国債の入札規模拡大を余儀なくされた。短期金利が現在の水準近辺にとどまっている限り、FRBの赤字は続く可能性がある。それによってFRBが新たに政治的な攻撃にさらされることもあり得るが、今のところその兆候は見られない。