年収が上がらない、モチベーションが上がらない ── そんな悩める人たちに「圧倒的に面白い」「共感と刺激の連続」「仕組み化・ノウハウ化がすごい」と話題なのが、森武司著『スタートアップ芸人 ── お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』だ。FIDIA(フィディア)の森社長は、吉本のお笑い芸人引退後、4年間の引きこもりニート、家電販売員を経て仲間と起業。現在年商146億円、Financial Times「アジア太平洋地域急成長企業ランキング 未上場日本一」、「ベストベンチャー100」受賞、経済産業省選定「地域未来牽引企業」、11事業すべて黒字化、新卒500人採用、創業以来18年連続増収増益を果たした。また、素人ながら化粧品開発に取り組み、あの資生堂を抜き、アマゾン年間売上1位となった注目の経営者でもある。その秘密はデビュー作で一挙公開した「仲間力アップマル秘マニュアル」の6大奥義にあるという。今回は本書の一部を抜粋・編集しながら人生大逆転の法則を見ていこう。

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契約率9割のすごい人

 コンサル事業を立ち上げるタイミングで僕はCOOの中川にこう言った。

僕:「デロイトで一番優秀な人って誰だった?」
中川:「岡田幸士さんですね。あの人はすごかった」

 デロイトはそもそも精鋭部隊だが、その中で岡田さんはトップ3%の評価を勝ち取り、飛び級で昇進したスーパーエリートだった。

 コンサルティング会社の契約率は平均2割だという。

 依頼主はだいたいコンサル5社に提案を求める。

 その中でプレゼンを勝ち抜くのはたった1社。

 すると10社から依頼があると、平均的なコンサルタントは2社を獲得する。

 だから契約率2割程度になる。

 ところが、岡田さんは依頼主9社から依頼される。
 契約率は9割だった。

 デロイトの中でも、「岡田が行ったら必ず契約を取る」と言われるモンスターで、若手時代の中川も岡田さんと同じチームになったら、「このプロジェクトは絶対に成功する」と確信したそうだ。

デロイトで超優秀な人を誘う方法

 その岡田さんを、ついに僕らの会社に誘うことになった。

 岡田さんも「組織になじめない中川が惹きつけられている会社の話を聞いてみたい」と興味を示してくれた。

 僕は岡田さんに聞いた。

 「岡田さんの夢って何ですか」

 するとウソみたいな話だが、
「森さんみたいになりたい」
 と言ってくれた。

「自分で会社をやってみたい。
 僕もいろいろ経験するうちに、もしかしたら100億企業をつくれるんじゃないかって思い始めているんですよ」

 岡田さんが僕らの会社に入る条件が、自分の夢と僕らが新しく立ち上げるコンサル事業の2つが同時にうまくいくことだった。

僕:「僕らが取ってきた仕事でプロジェクトマネジャー対価が仮に200万円だった場合、僕らは報酬を取らず、100%満額支払います。
その代わり社員を一人前のコンサルとして育ててほしい。
優秀なコンサルを一人ひとり増やして僕たちの新規事業をつくりたい」

岡田:「わかりました。僕個人の報酬は僕の会社の売上へ。新しく育てたコンサルの売上は新会社につけましょう。
 まずは強いコンサル会社をつくります。
 僕と中川がいれば、その夢はかないます。
 デロイトの中でもトップ3%に入るコンサルチームが、デロイトの半分以下の価格でコンサルするので絶対仕事は取れる。
 僕が組織づくりと契約までをやるので、マネジメントは中川にやらせてください」

「ありがとうございます。
 僕たちは岡田さんの新会社と新規コンサル事業が軌道に乗るよう、今までのネットワークや知見でお互いの夢を実現させます」

条件に折り合いをつける

 その後、岡田さんはデロイトを辞め、100億企業を目指して自分の会社を立ち上げた。

 僕らがコンサルの仕事を取ると、岡田さんにプロジェクトマネジャーとして入ってもらう。
 同時に当社の社長室長としてグループ全体の最適化を図ってくれている。

 このように条件に折り合いをつけるのもヘッドハンティングのポイントだ。

 岡田さんは本当に優秀だ。
 9割の契約を取るなんて信じられなかったが、仕事ぶりを見ると合点がいった。

 詳細は書けないが、異常なほどクライアントを調査している。
 クライアントの顕在的な悩みと潜在的な悩みの解決策まで提示し、こうすれば売上、利益が上がり、経費が下がると具体的に提示する。

 世の中に落ちているあらゆる数字を拾ったのではないかと思うくらい数字をきっちり詰めていき、4、5回打合せしないとできないレベルの資料を2回目に持ってくる。

 そして与えられたプレゼン時間が1時間なら、毎回時間を測ったように終わる。

「45分で説明、15分で質疑応答」
 と言われれば45分でピタリと終わる。

 この瞬間、この人に任せれば間違いないとクライアントが確信する。

 この”岡田式“を踏襲したのが僕らのコンサルチームだ。

 本書で紹介した、入社3年目の山口が「グラングリーン大阪」のカフェ公募で抜群のプレゼンを行ったのも、中川と岡田さんの近くで仕事をしていたからだろう。

 本書では超優秀な人材が自動的にやってくる仕組みを詳しく解説した。ぜひ活用してみてほしい。

(本稿は『スタートアップ芸人 ── お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』の一部を抜粋・編集したものです)