年収が上がらない、モチベーションが上がらないという人たちに「仕組み化がすごい」「圧倒的に面白い」「すごいエネルギーをもらった」と話題なのが、森武司著『スタートアップ芸人 ── お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』だ。FIDIA(フィディア)の森社長はお笑い芸人引退後、ニート、ヤマダデンキを経て仲間と起業。現在年商146億円、Financial Times「アジア太平洋地域急成長企業ランキング 未上場日本一」、「ベストベンチャー100」受賞、経済産業省選定「地域未来牽引企業」、11事業すべて黒字化、新卒500人採用、創業以来18年連続増収増益を果たした。また、素人ながら化粧品開発に取り組み、資生堂を抜いてアマゾン年間売上1位となった。その秘密は「仲間力アップマル秘マニュアル」の6大奥義にあるという。今回は決断のコツを見ていこう。
正しい結論を導き出す
たった一つの質問
誰かに遠慮して決断できないときや、本当はそれがベストな選択ではないとわかりつつも中途半端な結論を出してしまうときはないだろうか。
あなたがそんなときは、相手を怒らせたりハレーションが起きたりするのを避けたいからだろう。
相手が怖くて結論を先延ばしにしたり、本当はよくないとわかっている人事をする必要はない。
そんなときに正しい結論を導き出すたった一つの質問がある。
「その人が死んでしまったら、どういう結論を出しますか?」
これを自分に問いかけるのだ。
道徳的な問題はさておき、頭の体操として考えてみよう。
「その人がこの世から完全に消えてしまっても、あなたは同じ結論を出すだろうか?」
これを何度も自分に問いかける。
すると、人に配慮が欠けた人事とはならないはずだ。
じっくり考えてみると、驚くほど心の中で考えていた本来あるべき役職や、チーム構成、プロジェクト内容になるだろう。
「本当は嫌なんだけどな…」と思いながら決めた人事はうまく機能しないもの。
たとえはじめは機能しても、必ずほころびが出るものだ。
そうならないためには、本当はしたくない人事は絶対避けるべきだ。
「誰々を選ぶと〇〇さんが怒りそう」というのは二の次でいい。
なぜなら、その人は死んでしまっていないのだから気を使う必要はないのだ。
ならば、最も理想の人事や体制ができるはずだ。
プロのコンサルタントが使うテクニック
実はこれは僕がコンサルティングを頼んだときに、プロのコンサルタントから教えてもらったテクニックだ。
会社のナンバー2を決めるとき、古株の役員を優先するのか、それとも、最も若い最後に入ったメンバーを優先するのか、本当に悩んで決めきれなかった。
そのとき、依頼したコンサルタントから、こう言われた。
「その人が死んでしまったら、どういう結論を出しますか?」
その瞬間、堰を切ったように理想の体制が自分の口から飛び出した。
正直、方々に遠慮していたのだ。
これがきっかけとなり、僕は思い切った決断をした。
最後に入った役員のメンバーをナンバー2に抜擢したのだ。
この人事は大成功した。
業績が3倍になった理由
結果、業績はこれまでの3倍になり、役員全員の給料が上がった。
思い切った決断をしたことで全員が得する結果になった。
経営者の心の中には、すでに結論や理想の答えはあるもの。
だが、誰かに遠慮して答えを出せないことが多い。
その結果、折衷案で中途半端な答えを出してしまう。
そんなときは、先ほどの質問を思い出してほしい。
「その人が死んでしまったら、どういう結論を出しますか?」
きっと次々と理想の答えが出てくるはずだ。
その答えは確実に会社やチームをよい方向に導くだろう。
誰かに遠慮した会社やチームは絶対にうまくいかない。
どうせ時間をかけるなら、熟慮を重ね、理想の体制で行くべきなのだ。
(本稿は『スタートアップ芸人 ── お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』著者による特別投稿です)