米国は世界最大の液化天然ガス(LNG)輸出国となった。その地位には特有の悩みが付きまとうことにジョー・バイデン米大統領は気づきつつある。外国勢がエネルギー調達先として米国に目を向ける中、この2年間に米国のメキシコ湾岸を出発したLNG貨物は数百に上る。輸出ターミナルの開発を手掛ける企業はこの機に乗じて、新たなプラントを建設し、LNGを増産する計画を進めている。現在、気候変動活動家と民主党議員がバイデン政権にこうした拡大を止めるよう求めている。LNGプロジェクトの可否を判断する必要のある連邦政府が、ガス輸出が気候や米国の経済・地域社会に及ぼす悪影響を考慮していないとの立場だ。環境保護団体グリーンピースは昨年12月、米首都ワシントン周辺の政府庁舎に、余剰ガスを燃やす炎の映像などを投影した。