2位の倉元製作所は
「継続企業の前提に重要な疑義」
2位は、液晶用のガラス基板などの加工を手掛けている倉元製作所で、平均年収は306.3万円。22年版ランキングでは同299.9万円で2位だったものの、今回は300万円を超えた。
同社は2014年12月期から赤字が続き、18年12月期に債務超過に陥った。19年12月には私的整理の一種である事業再生ADR(裁判以外の紛争解決)の利用を申請し、受理された。
20年12月期は、債務免除益の計上により当期損益は黒字に転じたものの、売上高は18.2%の減収、さらに営業損益、経常損益ともに赤字。21年12月期もコロナの影響で業績は振るわず、営業損失4200万円、当期利益は前年同期比98.8%減の900万円だった。
今回のランキングの対象である22年12月期は、売上高10億5800万円、営業損失1億1700万円、経常損失3200万円、当期利益はゼロと引き続き低迷している。23年12月期の決算は2月中旬に明らかになるもようだが、減収減益の予想。直近の決算書(23年12月期第3四半期)には、「継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在」と記載している。
3位は、「和風レストランまるまつ」や「そば処丸松」など外食事業を展開しているカルラで、平均年収は360.3万円。22年版ランキングでは同305.4万円だったので大幅にアップしているものの、順位としては3位で同じだった。
19年2月期には当期損益で赤字に転じ、さらにコロナ禍の影響も長引き、5期連続の最終赤字が続いている。
4位はmanabyで、平均年収は362.4万円。障害者や難病者に者総合支援法に就労移行支援事業を行う会社で、本社は宮城県仙台市だが、首都圏や大阪府や兵庫県などにも複数の事業所がある。
5位は住宅建材の卸・小売りの山大で、平均年収は366.2万円だった。祖業は杉の苗木の植林で、300年の歴史を誇る会社だ。
ランキング完全版では、6位以下を含めた全50社を掲載している。全国展開する人気ラーメンチェーンの幸楽苑HDや、スパリゾートハワイアンズを経営する常磐興産といった企業は何位にランクインしているのか。ぜひ、チェックしてみてほしい。
(ダイヤモンド編集部 柳澤里佳)